祝! MCPC award 2026「中小企業特別賞」受賞

受賞概要

日本ビジュアルサイエンス株式会社が開発した ヒト協働型2D/3D計測・可視化システム 「Realtisan Insight」(リアルチザン・インサイト)が、 MCPC award 2026のサービス&ソリューション部門において 「中小企業特別賞」を受賞しました。
「MCPC award 2026」 グランプリおよび最優秀賞決定のお知らせMCPC_award2026.jpg

MCPCアワードは、モバイルコンピューティング推進 コンソーシアム(MCPC)が主催する表彰制度です。
モバイル、IoT、AIなどの技術を活用し、 新たな価値の創出や業務改善などに取り組む 企業・団体を表彰しています。

本システムは、専門家による特徴点の指定と、 ソフトウエアによる計測・解析の自動処理を組み合わせ、
大量の画像計測や遠隔分業を実現するものです。

受賞のご挨拶

takiKao.png 弊社は、見えないものを見えるようにする技術を永く手掛けてまいりました。ところが、自分たちの技術の価値を分かりやすく「可視化」するのは、案外、難しい仕事です。一般には馴染みの薄い分野であり、何が新しく、どこが役に立つのか、説明には少々骨が折れます。
 今回受賞した「Realtisan Insight」は、専門家が独自の「計測テンプレート」を使って「どこを測るか」を判断し、あとの仕事はコンピュータに任せるという、考えてみれば至極当たり前の発想から生まれたシステムです。しかし、この当たり前を実際に使える仕組みにするには、それなりの工夫と技術が必要でした。
 「モバイル」というと、つい端末を持ち歩くことを想像します。しかし、私共が持ち運びたいのは、機械よりも専門家の「判断」です。軽量な計測テンプレートをネットワークで受け渡せば、専門家が現場へ赴かなくても、離れた場所で仕事を分担できます。人は動かず、判断を伝達する。これもモバイルコンピューティングの一つの姿ではないかと思います。
 AIによる完全自動化が脚光を浴びる時代ですが、私共は、人間の知識や経験を、そう簡単に機械に全部、明け渡す必要はないと考えています。専門職やエッセンシャルワーカーの方々が、その知識と判断力を存分に発揮できるよう、煩雑な仕事はソフトウエアが引き受ける。さらにAIの力を借りて、より多くの仕事を支援できるようにする。そんな技術を育てているところです。
 「分かる人には分かる」と言ってしまえば簡単ですが、それではソフト屋として少々不親切です。幸い、既に現場でお役に立てていることが、私共の何よりの励みになっています。
 この度、モバイル・IoT・AI技術の活用による新たな価値の創出を推進してこられたMCPCの皆様が、私共の少々分かりにくい取り組みに目を留め、その技術的な意義と実用性を評価してくださったことに、心より感謝申し上げます。今後も「必要な人には必要な技術」を、一人でも多くの方に使っていただけるよう、地道に、そして少々欲張りに、研究開発を続けてまいります。

2026年11月吉日

日本ビジュアルサイエンス株式会社  
代表取締役 技術士(情報工学部門)滝 克彦

プロフィール→ researchmap

 

お祝いの言葉

MrNihei.pngNVSさん、優秀賞の受賞おめでとうございます。(NVSは弊社の略称)

NVSの滝社長は、画像処理ソフト関係のプロであり、かつ勉強家であり、日頃から研究・開発に専念されています。

弊所(二瓶国際特許事務所)では、NVSさんから特許出願のご依頼を受け、これまでにもいくつかの特許の取得に微力ながら協力してまいりました。今回受賞されたソフトは、特開2024-41065号公報に記載の発明であり、発明の名称は画像データ処理方法及び画像データ処理システムであり、撮像対象物の上に重畳表示され移動可能に配置された複数のマーカーを含むテンプレート画像を作成し、これを用いて複数の特徴点の上に配置された複数のマーカーの位置を検出することにより特徴点の指示を簡便に行うものです。

画像処理は、各種産業における製品の開発、製造、検査、修理などにおいて今後も重要な役割を果たすものと思われNVSさんによる新たなソフトの開発が期待されます。

二瓶国際特許事務所 所長 弁理士 二瓶 正敬

二瓶国際特許事務所 (1985年設立) 所長
JSEP
センター(一般社団法人 日本標準必須特許サポートセンター:2022年設立)理事、副センター長

開発者のコメント

 本システムの中核となる技術である計測テンプレートは、人の手を介することを前提としたシンプルなものであるがゆえに、だれにでも扱える敷居の低さと、それに伴う分業のしやすさ、そしてどのような分野でも使える柔軟性と汎用性を備えています。
 今回の受賞も、すでに実装された分野以外の領域への将来的な展開を期待されてのことと考えます。
 ヒト協働という言葉で表現された、ヒトとシステムの協働のみならず、ヒトとヒト同士の協働も含めたコンセプトを掲げる本システムは、今後AIによる完全自動化という競争軸が過熱していく中で、ますます独自の価値として注目を集めるものと期待しております。

日本ビジュアルサイエンス株式会社
技術士補(情報工学部門) 古賀 玄義

Realtisan Insightの概要

Human-in-the-Loop型 2D/3D計測基盤
専門家の判断を記録し、計測・解析・可視化を自動化。

写真、X線CT、3Dスキャナなどで取得した2D/3D画像に対し、人が計測すべき特徴点(ランドマーク)を指定し、その後の座標取得、計測、数値化、集計、可視化を専用ソフトウエアが行う「ヒト協働型」の計測システムです。

Realtisan Insightの中核技術は、当社独自の「計測テンプレート」です。

計測テンプレートは、計測対象画像と移動可能な計測マーカーを複数のレイヤーとして重ね合わせた画像ファイルです。専門家はマウス操作で特徴点(ランドマーク)を指定でき、その判断結果を画像と一体で記録・共有できます。

また、計測テンプレートは、単なる画像ファイルではなく、専門家の判断、処理手順、作業履歴などを保持・共有する媒体としても機能します。GIMPで編集可能なXCF形式を採用しており、Windows、Mac、Linuxで利用できます。

軽量なファイルをネットワーク経由で共有できるため、専門家が同じ場所・時間に集まる必要がなく、遠隔での分業や共同作業を実現できます。

※Human-in-the-Loopとは、人の判断を処理工程に組み込み、人とシステムが協働して作業を行う方式です。

Realtisan Insightのシステム全体像

2D操作から3D計測への展開

二次元画像上のマーカーを元の三次元データと対応付け、 対象物表面の三次元座標を取得します。 これにより、距離や面積だけでなく、容積、深さ分布、 形状のばらつきなどの定量評価にも対応できます。

Realtisan Insightの特長と導入効果

 専門家の知見を活用

計測点の判断は専門家が担い、その結果を確認・共有できます。

 反復作業を省力化

座標取得、数値計算、集計、可視化などを自動処理します。
 

 一貫した計測基準

 同一の処理手順・アルゴリズムで多数のデータを処理できます。

 遠隔分業

専門家が同じ場所に集まる必要がありません。

 既存データの活用

保管されていた実物サンプルや画像を、新たな研究のための定量データへ変換できます。

 将来のAI応用

専門家が配置したマーカーの座標情報は、AI学習のためのデータとして活用できます。

 完全自動化が困難な計測にも対応

対象物の意味を理解し、計測すべき位置を判断する工程は専門家が担当し、座標取得、計測、集計などの反復処理をシステムが担います。この役割分担により、専門的な判断や説明責任が求められる計測業務でも、大量処理と計測基準の統一を両立できます。

 今すぐ実用化できる。その作業結果が、将来のAI化にもつながる。

AIによる完全自動化を待つことなく、現時点で実用的な計測・解析業務を構築できます。さらに、専門家が指定した特徴点座標や判断履歴をAI学習用データとして蓄積することで、将来の自動認識・自動計測へ段階的に発展させることが可能です。

歯科・口腔分野における研究・実用実績

500名・2,500画像を対象とした頭蓋骨計測

2022年、神奈川歯科大学 山口徹太郎教授らと進めたプロジェクトでは、500名分のCT画像に基づく約2,500画像を対象に、24,500点、62項目の計測を実施しました。矯正歯科医3名が計測テンプレート上で特徴点を指定し、座標取得や距離計算、集計をシステムが担当する方式で、ネットワークを介した遠隔分業を実現しました。

この成果は2023年、査読付き学術論文として発表しています。

頭蓋骨画像へのランドマーク指定例
 

石膏歯列模型の3D計測

昭和医科大学との共同研究では、従来ノギス等を用いて手作業で行っていた歯列模型の計測を、3Dデータと計測テンプレートを利用した方式へ発展させました。歯列の幅などの距離計測に加え、口蓋の容積や深さ、歯列の高さ変動など、三次元情報による定量評価が可能になりました。

保管されていた石膏歯列模型を新しい研究資源として活用する取り組みで、その成果は2026年に査読付き論文として発表しています。

 
歯列模型の3Dデータと計測結果
 

開発の経緯と今後の展望

計測テンプレートは、専門家による判断を必要とする大量の頭蓋骨画像計測を実現するために考案・実装しました。その後、歯列模型の3D計測へ適用範囲を拡大し、距離だけでなく体積や深さなどの定量評価にも対応してきました。

現在は、歯科・医療に加え、顔の形状計測、材料、工業製品の研究開発や検査などへの応用を進めています。AIによる完全自動化を待たずに実用的な計測作業を構築し、その作業で蓄積する特徴点情報を、将来の段階的な自動化にもつなげていく考えです。

関連する論文・特許

過去の発表

2026.9 第31回日本顔学会大会 フォーラム顔学20261000016068.jpg

発表内容「計測テンプレートの顔計測への応用可能性」Potential Application of Measurement Template to Facial Measurements

2026.9 RSC-JAIMA Symposium on Analytical Chemistry 2026IMG_5404.jpeg

発表内容
”3D Imaging-Based Quantification of Porous Materials: Sheet-Like, Particulate, Composite, and Virtual Structures”
”Measurement-Template Workflow for Human-in-the-Loop Quantification in 2D/3D Imaging-Based Research”

2024.9 E-poster @ KAO 2024 (韓国矯正歯科学会)

2024年 「計測テンプレート」を使用した歯列石膏模型の3D測定システムの開発と可能性
"Development and possibilities about 3D measurement system for dental model using 'Measurement Templates'"

2024.10 芳賀秀郷准教授が第22回日本口腔筋機能療法(MFT)学会学術大会で優秀発表賞を受賞

共同研究者である昭和医科大学 芳賀秀郷准教授が、第22回日本口腔筋機能療法(MFT)学会学術大会において、演題名「MFTの定量的評価を目指した舌および歯列・口蓋の機能-形態解析」の発表を行い、優秀発表賞を受賞されました。 昭和医科大学PRESS ROOMの記事はこちら。

関連情報・お問い合わせ

→ 「Realtisan Insight」製品・サービス紹介ページ

→ 計測テンプレートについてのページ

→ 歯科研究分野向けソリューションの紹介ページ

→ お問い合わせはこちら

過去の受賞特設Webページ

2013年 東京都ベンチャー技術大賞 および 第26回 中小企業優秀新技術・新製品賞
三次元画像ソフトウエア「ExFact VR」

特設ページ - 2013年 東京都ベンチャー技術大賞 および 第26回 中小企業優秀新技術・新製品賞

2018年 世界発信コンペティション
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弊社の開発した多角的偏光イメージングシステム「Polamazing®(ポーラメージング)1000」が、 東京都の主催する「2018年 世界発信コンペティション」において特別賞を受賞しました。

2022年 第34回中小企業優秀新技術・新製品賞
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多孔体解析ソフトウェアExFact Analysis for Porous/Particlesが第34回中小企業優秀新技術・新製品賞 ソフトウエア部門「優秀賞」を受賞!

©士業娘gMusume.jpg4年ぶりの受賞おめでとうございます。ほぼ4年に1回のペースなのね。これで何回目かしら?