ボイド解析オプション

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鋳造品や樹脂などの三次元画像から内部欠陥や粒子を抽出し、カラー表示して可視化/解析できます。

X線CTなどから得られる断層画像をボリュームレンダリングにより二次元/三次元的に可視化するソフトウエア「ExFact®VR」に別売りで機能追加できるオプション製品です。

機能と特徴

  • 検出/分類条件を様々に設定し、多様な画像データにきめ細かく対応できます。
  • 検出/分類条件も任意に設定できるため、試料や条件に応じて、評価基準を定義できます。
  • 検出されたボイドをサイズ別で5段階に分類してカラフルにメーター表示。
    数量・体積・割合が一目で把握できます。
  • 解析完了時に詳細な数値データがCSVファイルとして出力されます。
  • 解析結果をVR-VRムービーとして出力・再配布することができます。

ユーザーインターフェース

  • 画面下部のフッタに、ボイド検出結果を見易く分かり易くチャートで表示します。
  • ボイドの数量と体積、サイズごとの割合を示します。
  • 最大値を入力しておくと、メーター表示となり、複数のデータを比較する場合、バーが長い程、巣が多いことを示します。
  • パネルから、様々な条件を設定してボイドの検出が行えます。

有効直径による色分け

巣は不定形をしていますので、同じ体積をもった球に置き換えて、その直径で五段階に分類し、色分けを行います。

Effective Diameter(有効径)と言い、材料工学の業界で一般的に用いられる概念です。

あえて体積で分類しないのは、体積は三乗された数字であるため、人が直感的に大きさを理解しにくくなり、なおかつ不自然に偏って色分けされてしまうためです。

多彩な表現

複雑に密集したボイドをボリュームレンダリングすると分かりにくい三次元表現になってしまいますが、本製品では多彩な表現で分かり易く表現ができます。

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全てのボイドを重ねて表示。

ここから適切な設定を施すことで、以下のように可視化することができます。

三次元画像を薄切りにして、奥から手前へ段階的に見せるよう、カラー表示して可視化。

複雑な構造も薄切りにした三次元を連続的に見ることで、構造を見易く分かり易く理解することができます。

ボイドの大きさ別に5色のチャンネルごとに自由に切り替えて表示することができます。

ボイドが小さくなるに従って場所に関係なくまんべんなく分布していることが分かります。

空隙形状を見える化 CSVテーブル機能追加

  • 球状・線状・平面状等の空隙を色分けできます。
  • 球状の巻込み巣、不定形状の引け巣を評価して、品質向上に貢献します。

アルミダイカストの鋳巣を形状因子によって分類しています。

鋳巣その発生原因によって形状が異なると言われており、識別して量的評価することは、品質向上を目指す上で意義が多き分析と言えます。

丸い形状をした空隙(赤色)

平たい形状をした空隙(緑色)

形状別に分類し、すべてを表示

それ以外の形状(水色)

細長い形状をした空隙(黄色)

画素数が少なすぎるなどの理由で分類意不能な空隙(紫)

【VR 2.1新機能 1】悩ましい二値化ノイズをKrigingアルゴリズムが軽減

  • 粒子、繊維、多孔体等、複雑構造の領域抽出に特に有効。
  • LUTで閾値(thereshold)を閾値を2つ与え、2つの閾値によってはさまれた画素成分をマテリアル、背景どちらかに自動的に配分する処理を行います。
  • kriging処理の結果は、ボイド解析オプションに渡して便利に使えるように考えられています。
  • 3D画像ヒストグラムや、体積比・重量比などから、閾値を決めるのは有効です。画像計測オプション(別売り)のヒストグラム解析機能もご利用ください。

元画像

色分けを行った例 

Kriging処理結果

 

 

 

【VR 2.1新機能 2】隣接粒子分割がとても簡単! Watershed機能

  • 同一構造として認識されやすい、隣接粒子を個別構造として認識できます。
  • バラした粒子構造を大きさ別に色分けできます。

下図は水素吸蔵合金の充填層のX線CT画像の処理例です。

隣接した粒子はどこかで接して積層しているため、ボイド解析オプションで処理すると、大部分が繋がった一連の構造(赤色)として認識されてしまいます。

Watershed分割した結果

隣接した粒子を分割された個別の構造として認識していることが分かります。

バラした粒子等の構造をボイド解析でお馴染みのように大きさ別に5色で色分けして解釈する事も可能です。

【VR 2.1新機能 3】周辺ツールの充実

  • 本オプションによって出力されたCSVファイルを間便かつ多種多様にグラフ化するツールが付属しています。
  • CSVを様々な形状に簡単グラフ化。
  • 輝度情報をヒストグラム描画。
  • ドラッグドロップだけで、画像をPowerPointに変換。
  • CSVファイルを複数、選択した場合は選択したデータにおいて、縦/横軸の揃ったグラフが出力されます。データを比べて見易いというメリットがあります。

横軸が粒径、縦軸が個数を表すヒストグラム

縦軸を体積で換算

同じ数値を折れ線グラフで描画

同じ数値を累積でプロット

粒子や空隙の形状を現す散布図

水色の粒径をもつ粒子についてのみプロット

解析事例

CT像の三次元表示(ねずみ鋳鉄)

片状黒鉛を三次元的に抽出(ねずみ鋳鉄)

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抽出黒鉛をサイズ別に色分け表示(ねずみ鋳鉄)

CT像の三次元表示(球状黒鉛鋳鉄)

片状黒鉛を三次元的に抽出(球状黒鉛鋳鉄)

有効径による色分け(球状黒鉛鋳鉄)